新刊読んでみた!『「勇気」と「お金」の法則』 小林昌裕著 書評

書評

気楽に読めます

まず始めに、小林昌裕著の『「勇気」と「お金」の法則』は非常に読みやすい本です。

難しい自己啓発書を想像して肩に力を入れて読み始めると、その軽さに拍子抜けするでしょう。

難しいことは何も書かれていません。

ストーリーの舞台も普通の日常の世界です。

ほんの少しの意識で、お金を中心とする身の周りの世界が変化する、というお話です。

特別な知識を与えてくれる本ではありませんが、普段のお金に対する考えを変えるヒントを与えてくれています。

読み手がそこからどれだけのことを感じたか、が大切なことです。

お金を稼ぐことに対して後ろ向きな日本人の意識

日本人は元来お金のことについて考えることを良しとしない国民です。

お金とは苦役にも似た労働の結果与えられるものであって、積極的に稼いでいこうと思うとなぜか後ろめたい感覚がつきまとうのです。

誰に教えられたわけでもないのに、お金を稼ぐことは汚いことだと思って生きていく。

そんな人が多いと思います。

本書『「勇気」と「お金」の法則』ではそういう感じの平凡なサラリーマンが主人公であり、会社でも家庭でも上手くいかずに冴えない日々を過ごしているところにお金稼ぎのコンサルタントと出会うところから始まります。

最初は投資でお金を生かすことに懐疑的な主人公も、コンサルタントの余裕のある雰囲気に魅了させられて同じ道を歩んでいきます。

コンサルタントの助言で投資を始めてからはとんとん拍子に成功し、仕事も家庭も上手くいくというサクセスストーリーです。

実例を元に作ったストーリーとは言え、これは上手く出来すぎているのではないか?とも思いましたが、そこは重要なところではないので良しとします。

具体的な方法論より、生活や経済事情を見直すことを説いている

実は本書『「勇気」と「お金」の法則』ではこうすればお金持ちになれるという道筋はほとんど書かれていません。

あるのは不動産のオーナーになって家賃で稼ぐということや、株式運用をするといった記載のみです。

この本で学ぶべきことはお金持ちになるための方法論ではなく、マインドだと思います。

それはお金というものは感謝が形になっているということで、気持ちよくお金を支払ったり受け取ったりすることでお金が生きるという考えのことです。

我々日本人はお金を受け取る時にまるで徴収しているような気分になりますが、それは親のお金に対する考えをそのまま受け継いだに過ぎない。

本当のお金に対するスタンスはもっと別にあるのです。

そして、本書『「勇気」と「お金」の法則』の本当のテーマは人生の幸せ家族の幸せについてだと思います。

お金さえあればほとんどの望みが叶うことは確かでしょうが、我々はそれについてはどちらかというと欲望や野望を想起するでしょう。

しかし、お金のパワーで余裕や幸せも手に入る。

それは何も悪いことではなく、むしろお金を通して人の役に立つことで感謝が生まれ、お金が手に入る流れを本書『「勇気」と「お金」の法則』では説いています。

もっともその流れの最初には、家族のために考えを改めて勇気を出して踏み出すという行動がありますので、やはり大切なのは考え方を変えることです。

批評を含めた感想

本書はで人生の浮き沈みがマネーのみによって左右されるともとれるため、見方によっては人生の一面だけを描いているようにも受け取れます。

まあこうやって一点に焦点を当てて高揚感を読者に与えていくのがこの本の狙いだろうからそこは良しとすることにします。

本書で一番評価できる点は、お金に対してネガティブに生きてしまっているのはそれまでの親との関係や人生の歩みが原因になっていることを明確に説明しているところでしょう。

そこには過去を振り返って向き合うことにより前に進めるようになるという、カウンセリング的な要素が含まれています。

マインドを変えるためには過去を振り返って己を変えることが必要です。

いくらお金に対して前のめりになっても、お金に対する「器」が備わっていなければお金は手に入らないということですね。

この辺り、様々な思いが交錯する生き辛い現代社会を乗り越える方法が示されていると思いました。

 

残念なのは、この手の考え方はもう私には当たり前だったことです。

主人公のような会社に居ることを安泰だと思う考えも理解できません。

でも多分私が知らないだけで大企業勤めの中堅どころの人はそうでもないのでしょうね。

アマゾンのレビューを見てもこの本を絶賛している人が多いようなので、こういう本を必要とする人は多いのだと思います。

それから、不動産投資や株式、シェアハウスなども特に新しい要素は無いので、やはり取り組む人がどういうスタンスなのかが大事なのだと思います。

 

そう考えるとやはりこの本には特別なことは書かれていないということになりますが、同時にそんな中でも成功に転じる心がけの仕方があるということにもなります。

ほんの少しの意識の違いで結果に大きな違いが生じることを、本書『「勇気」と「お金」の法則』から読み取れるかということを読者は試されていると言えるでしょう。

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